「総合開発機構(NIRA)の試算では、若者非正規労働者が激増し始めたのは、いわゆる「就職氷河期」と呼ばれた時代である。この時期に社会に出た若者たちの一部が、そのまま非正規労働者にとどまり、今日のように巨大なアンダークラスが形成されたのだった」(橋本健二 『新・日本の階級社会』)( 注アンダークラスとは、総数929万人、個人平均年収186万円。2025年には1000万人を超えると予想されている。『日経ビジネス』より)
「就職氷河期の人々について、働き方の変化(非正規の増加と、家事・通学をしていない 無業者の増加)によって生じる潜在的な生活保護受給者は 77.4 万人、それが具体化した場合に必要な追加的な予算額累計約 17.7 兆円~19.3 兆円となる結果が導き出され、これが 現実となれば社会的にも深刻な影響を与える規模であることが予想される。」(NIRA、WEBサイト)数字は予算額累計ですが、約20兆円。この額をざっくりとらえると、日本の国家予算が約100兆円、国債を除いた税収入は約60兆円ですから、実税の約3分の1にあたります。
こうした世界へ、将来、子供たちを送り出す時、大切なことは、「生き抜く」ために必要な、しっかりとした学力(学ぶ力)を、まず身につけさせることだと、私は思います。 また、日本の教育では、偏差値の高い学校をエリート校と言いますが、欧米のエリート校では、それだけならば、エリートとは言いません。エリートとは自分が受けた教育は、親や学校そして社会の多くの人々から与えてもらったと考えて、感謝し、自分の能力を使って、その恩恵を社会(世界)に返すべきだと考える、そして次の世代にもそうして欲しいと願っている、そういう世代を超えた教育をしていく。それをエリート教育と言います。基礎を身につけ、さらに高い学力を身につけながら、社会の役に立つ本当のエリートになって欲しいと思います。
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