先日シカゴ大学に通っている卒業生が夏休みで戻ってきて、私と静かなところでじっくり話したいと言ってきました。2人でゆっくり話せました。
一つは、物理学から経済学へ専攻を変えたいという話で、シカゴにはノーベル賞を取っている経済学者も多いので、それはいいことだし、勉強してきた物理も役に立つことを話しました。
2つ目は、彼の夢が、将来、日本からの留学生を金銭面で支援する財団を作りたいというものでした。そのお金の稼ぎ方はプライベートになるので、ここでは書きませんが、日本を思い、大きな志を持っていることを嬉しく思いました。
彼と話していて思ったのは、アメリカの教育を受けているだけあって、「思考実験」がすごいということでした。例えば、「AI(人工知能)の限界はなんだと思いますか」と聞かれたので、「今問題になっているのは、例えば自動運転で、70歳の老人と3歳の子供連れの30歳の母親がいて、どちらかにハンドルを切らなければいけない時、生涯年収などのデータを入れたら、間違いなく老人の方にハンドルを切るだろうけれど、それでいいのかという問題があるよね。これは倫理の問題で、宗教や哲学の問題だから。AIは倫理の問題が解決できないということだと言われているよね。」すると、彼は、「そういう場面を作り出さない道路構造をAIでできるのではないか」という前提で、思考実験を始めました。あくまでも思考実験ですが、私の出す難問にすぐ論理的に応えていく頭脳の回転の良さを面白いなと思いました。
彼と別れて帰宅する時、「私のミッションは次世代の強化だから、私もシカゴ大学の学生に負けないくらい勉強して、志と学力の高い多くの生徒を育てていきたい」と強く思いました。
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